卒業後、海外に飛び立つお嬢様が多いとか!「清泉女子大学」

画像:卒業後、海外に飛び立つお嬢様が多いとか!「清泉女子大学」

https://manabi.benesse.ne.jp/daigaku/school/3264/index.html

昭和初期に開設した修道会が前身

清泉女子大学は東京都品川区東五反田にある私立の学校です。
1950年に4年制の女性大学の名で創立された清泉女子大学は、聖心侍女修道会を母体とした学校として広く知られています。
聖心侍女修道会は1877年にマドリードで誕生しています。
1934年にマルセイユから聖心侍女修道会の修道女が来日し、高等女学校の卒業生を対象とした学校の開設を目指すようになります。
1935年4月に前身となる女子高等教育機関が創立されますが、太平洋戦争が始まり空襲により校舎は全焼します。
1950年に学校教育法が制定され、神奈川県横須賀市に清泉女子大学が設立されます。
1962年に現在の五反田の地に移転しています。
五反田に移った清泉女子大学の校舎には旧島津公爵邸が使われます。
清泉女子大学は1915年に竣工して島津公爵家の邸宅として使われた後、1962年に清泉女子大学の校舎となり現在も本館として使用されています。
旧島津公爵邸は清泉女子大学の象徴で、現存している住宅建築作品としては歴史的な価値があります。
地下1階地上2階の煉瓦造りの大邸宅で、建物の様式はルネサンス様式です。
清泉女子大学では旧島津公爵邸の見学ツアーを開催しています。
学生ガイドが旧島津公爵邸内を案内してくれる人気のツアーです。
美しい庭園は自由に散策することができます。
このツアーは個人を対象とした邸内見学ツアーで、ツアーの所要時間は約40分です。
清泉女子大学は横須賀から五反田の地に移転していますが、インターナショナルスクールも同時期に五反田に移転しています。
2010年には創立60周年を迎え、大学では創立60周年ミサが行われます。
2012年には本館が東京都指定有形文化財に指定されます。

創立時の精神を現代も受け継ぐ

清泉女子大学の建学の精神はキリスト教ヒューマニズムです。
この精神は創立時から現在まで受け継がれています。
清泉女子大学の教育理念は、どのような出来事の中にも神の望みを探すことです。
他人のために惜しみなく尽くせる人の育成を求めたのが聖心侍女修道会の創立者で、彼女の精神的な遺産が受け継がれています。
清泉女子大学を設立したシスターは、1902年にアルゼンチンに生まれ1927年に聖心侍女修道会に入会して1934年に来日します。
来日した後に大学を設立し、品川にキャンパスが移った1962年から4年間学長を務めています。
キリスト教ヒューマニズムを現在も実践する大学では、まことの知とまことの愛の追求がモットーです。
建学の精神に基づいて少人数教育による人との触れ合いを大切にしています。
自分でよく考えて判断し、決断することのできる女性を育成します。
日本の文化はもちろん異文化も理解して、地球市民として共に生きる姿勢を大切にしています。
大学の理念は、緑豊かな大樹のように地に足のついた人物を育てることです。
日本はグローバル化が進み厳しい時代を進んでいますが、大学では個性を大切にしつつ他者を理解する姿勢を重要視しています。
文学部の単科大学として少人数教育の利点を活かし、語学の授業やゼミナール形式の授業を重視します。
清泉女子大学では学生が主体的に考えて調べ、他人とコミュニケーションを取る訓練を大切にしています。
大学では教育力を向上させるためにFD活動もあります。
教育や研究の質を向上できるように、具体策の検討や体制の整備が着々と進められています。

清泉といば校章の「ゆり」

清泉女子大学の校章はS字型をあしらった百合の花が清さを示しています。
盾の形が正しさを示し、キリストの神の愛と人間の相互愛も示します。
百合の花は純潔や優しい心、謙虚さのシンボルでもあります。
古代ローマではユリは希望のシンボルで、キリスト教では聖母マリアの持物として知られています。
持物とは伝説上や歴史上の人物や神話に出てくる神と関連した持物を指します。
ユリは聖母マリアを信奉する王侯貴族や協会の紋章にも取り入れられています。
日本では清泉女子大学をはじめ多くのミッションスクールが校章として百合の花を使っています。
古代ギリシャ人やローマ人はユリに特別な意味を持たせて、結婚式では百合の花冠を花嫁の頭に飾っていた記録があります。
美しい花は夫への忠誠もあらわし、ローマ帝国が滅亡しても花の意味や価値は次の世代へと受け継がれていきます。
キリスト教はユリの花を含めて多くの象徴を引き継いでいます。
花に込められた様々な象徴をキリスト教による解釈で取り込んでいき、百合は純粋さと豊かさの象徴だけでなく、聖母マリアの象徴としても広く知られるようになります。
百合の花は視覚芸術においても聖母マリアと深く関わっています。
有名な受胎告知でも描写に使われます。
聖母マリアはイエスを生みますが、百合は命の重要な象徴でもあります。
キリストは人間の罪を償うために自分がすべての罪を引き受けています。
それは神の意志で、神の愛は無条件に与えられていることをキリストは示します。
美しい百合の花は聖母マリアの清さや美しさ、慈愛を表現していますが同時にキリストの無限の愛も示しています。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする